アプリ開発者アラブへ(14):授賞式の夜

WSA
夢の様な遠征旅行から戻り、早10日ほど過ぎました。
私はお陰様で先日のニコ生をはじめ色々お声かけ頂く機会が増えバタバタとした毎日を過ごしています。

もっと早くまとめ記事を書こうと思っていたのですが、あっという間に時間が過ぎてしまいました。
やっと少し時間が取れそうなのでこれから旅で記憶に残った出来事や場所について個別の記事でまとめていきたいと思います。

初回の今回は、一番記憶に残った出来事、そう「WSA授賞式」についてまとめたいと思います。

式典は2月5日 19:30から行われました。
会場となるJumeirah At Etihad Towers(ジュメイラ・アット・エティハドタワーズ)には国際的なイベントを行うためのイベントホールが4つあるのですが、そのうち3ホールの仕切りを取り除き巨大な1つのホールとして使用していました。

会場にはWSA関係者、国連加盟各国からの審査員たち、UNESCO、UNIDO、アラブ首長国政府高官、スポンサー企業関係者、その他招待客そして世界中から集められたWinnersなど300〜400名ほどの人がいたと思います。
雰囲気としてはアカデミー賞授賞式を想像して頂けると、ちょうどそんな感じだと思います。(イヤ、アカデミーショウジュショウシキ デタコトナイデスケドネ)

式典は現地のアーティストの異国情緒溢れる演奏から始まりました。

wsa2013

そして、ADSIC(The Abu Dhabi Systems & Information Centre)のAbdulkarim Al Raesi氏のスピーチ。
続いて、WSAのチェアマンであるProf. DDr. Peter A. Bruck氏による三日間に渡る今回の式典のまとめスピーチ。

Peter氏がスピーチの中でWinnersにむけて語った下記の言葉が私は忘れられません。

「あなたたちWinnersは今ここ『アブダビ』にいる。
 それはなぜか?
 それは、あななたちが成し遂げた成果が世界に認められたからです!

 あなたちはそれを誇っていい!
 そして、よりよい明日を作っていくための努力を続けていって下さい!」

この言葉に恥じないように私たちも立ち止まらず歩き続けたいと強く思いました。

その後いよいよ各部門事にWinnersに賞の授与が行われました。
各作品の紹介ビデオをWSAが作って下さっていて、まずはビデオで作品紹介、そして一人づつ名前をコールされステージ上へ!

MagicReader

MagicReaderのPVが巨大スクリーンに映し出され
「マジックリーダー! クマンボー・イタノ & リオ・リーバス ジャパン!!」
とアナウンスが流れたときには私の涙腺は限界でした(ノД`)

ちなみに式典の途中で一回食事休憩があり、ブッフェ形式でおのおの食べ物を持ってきてテーブルで食事を取ります。
WSA期間中ランチも立食ですが用意されていました。
さすが五つ星ホテルというべきか、ブッフェといえども馬鹿にした物ではなく何を食べても美味しかったです。

まあ、正直言うと私はあまり食べていないのですが…
実はこの8日間の旅行中に私は3㎏ほど痩せました。
やはり現地入りしてから感じるプレッシャーはこれまで感じたことが無いほどの巨大な物でした。
特にプレゼン、そしてこの授賞式の時のプレッシャーが大きく、せっかくの食事もあまり喉を通りませんでした。
しかし、一緒に行っている妻や仲間たちが「うまい、うまい」と何度もおかわりしている姿は私を「ほっこり」させてくれました。

ブッフェ
▲一つだけ食べ物が載っていない皿がありますね(ノД`)

今回の遠征は6人で参加いたしました。
私、私の妻、チュン時代の先輩、そして友達3人の6人です。
現地では、心の余裕のない私の至らないところをみんなが支えてくれとても心強かったです。
特にUstreamでの中継や、式典などの記録映像の撮影はみんなの協力なくしては実現できませんでした。
本当に感謝しています。

その後、いよいよ各部門から1作品ずつチャンピオンの発表です。
次々とチャンピオンが発表されていくなか、緊張が高まります…
そう、MagicReaderがWinnersを受賞したm-Inclusion & Empowerment部門は最後に発表だったのです。

現場で感じていたプレゼンへの反応など前評判では十分にMagicReaderにも可能性があったと思います。
聞いた話では恐らくMagicReaderか、ブラジルの「HandTalk」というアプリだろうと…
確かに、プレゼンで会場の反応がよかったのはこの二つでした。
しかも、プレゼンの質疑応答時に判明したのですが「HandTalk」はまだ販売開始されていなかったのです。
今思うといい気になっていたのだと思いますが、未発売だと聞いた私は勝利を確信していました…

他7部門のチャンピオンが発表されたあと、m-Inclusion & Empowerment部門の発表の前にアラブ首長国連邦の政府高官の方のスピーチがありました。
そして、チェアマンのPeterさんもおっしゃいます「この部門はWSAにとって最も意味深い部門です。」と…
WSAの目的である「デジタルディバイドの解消」つまり便利になったテクノロジーの恩恵を受ける事ができる人とできない人、使いこなせる人と使えない人の溝を埋めること、それにもっとも貢献するのがこのm-Inclusion & Empowerment部門なのです。

完全に式典のトリ、クライマックスの扱いだったのです。
式場のボルテージも否が応にも上がります、それに呼応するかの様に私の期待と緊張も高まります。

CIMG8239

もったいつけるような長いドラムロール。

そしてコールされた名前は…「ハンドトーク ブラジル!」だったのです。
この瞬間、私はどんな顔をしていたのか記憶にありません。
友達が撮ってくれたビデオにその瞬間も残っているはずですが、今はまだ見る勇気はありません。

ブラジルチームが割れんばかりの拍手の中ステージに上がり、もうひとつのトロフィーを受け取る間、私の頭にはいろんな思いが去来しました。
「悔しい」
「もうしわけない」
「かっこわるい」
「いや、十分凄いよ…」
「この場から居なくなりたい」
「うれし涙以外は流すものか…」

5分も無い時間だったと思いますが、長く感じました。
そして、私が出した結論は、
「思い上がっていたな…」
でした。

GimmiQブランドではまだMagicReader1本しかアプリをリリースしていません。
そのMagicReaderさえも、機能的にはまだまだこれからの物だということは自分が一番わかっているはずでした。

危うく、慢心してしまいそうな自分にちゃんと釘を刺してくれたのだと今では思っています。
おかげで、なまける事無くこれからもがんばれると。
そして、チャンピオンになれなかったからといってここに招待され、Winnersとして表彰された事実は変わることは無い、それだけでも十分凄いことだと誇りを持とうとも今は思っています。
慢心すること無く、そして誇りを持って、次に進みたいと思います。

正月に実家に帰ったときに父から「ラッキーでもらった賞になんか、何の価値も無いんだぞ」と釘を刺されていたことを思い出し、父は何でもお見通しだなと改めて思いました。

全ての発表が終わり、最後は全てのWinnersがステージ上に再集結しエンディング、その後は会場中を巻き込んでの記念撮影大会でした!
私も着物で目立っていたおかげか、色んな国の方と写真を撮らせて頂きました!

CIMG8271

こうして、World Summit Awards2013は幕を閉じたのです。

本当に貴重な経験をさせて頂き、感謝しています。
Twitterなどでも多くの激励をリアルタイムに頂きとても力強かったです。

リオさん(@StudioLoupe)と二人GimmiQ、これからもがんばって行きますのでよろしくお願いいたします!

授賞式の様子をまとめたビデオができました。
よろしければ御覧下さいm(_ _)m

MagicReader 1.5(無料)App
カテゴリ: ブック, ユーティリティ
販売元: GimmiQ – Yutaka Rivas-Micoud(サイズ: 26 MB)
全てのバージョンの評価: (81件の評価)

[seriesposts name=”アプリ開発者アラブへ” title=”シリーズ記事” titletag=”h3″ orderby=menu_order order=ASC]

Comments are closed.