おもちゃ屋のバイトの娘にフラれたけどそのままドラクエⅢを予約した話

本日ドラゴンクエストが30周年だそうで盛り上がってますね!

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せっかくなんでドラクエの想い出を何か書いてみようと思います。
ドラクエⅣに関する想い出は昔書いたので今日はドラクエⅢにまつわる想い出をひとつ。

すでにタイトルでほぼ語り終わってるので、お忙しい方はここで読むのをやめても問題ありません。
おっさんの切ない恋の物語なので、読み進める方はそれなりの覚悟を持ってお願いします。(*^_^*)

それは今思い出しても、かっこわるい想い出じゃった…

最後のファイブが押せなかったテレフォン


話しの始まりは中学時代までさかのぼります。
当時、私には同じクラスに斉藤由貴似の好きな子が居ました。

クラスメイトとして普通に会話する仲でしたが、なかなか気持ちを打ち明けることは出来ず。
何度か電話で告白をしようとしたことはあったのですが、何度挑戦しても電話番号をひとつずつ押す度に胸の鼓動が大きくなり、その緊張にたえきれず番号を全てプッシュすることは一度も出来ず、結局ダイヤルすることはありませんでした…

そうこうしているうちにクラスで席替えがあり、嬉しいことにその子の隣の席になりました。
そして、それがきっかけでその子との仲が急速に近づいていきました。
気がつくと休み時間は男子と遊ぶよりその子の属する女子グループの輪に入って井戸端会議に参加するようになっていたのです。

そのグループにはクラスのマドンナ的な綺麗な子もいたので、周りにはその子目当てでそのグループに入ったと思われていたようでした。

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そんなある日、歴史の時間のことです。

それは日差しの強い夏の日の授業でした。
風を入れるために全開になった窓にはクリーム色のカーテン、そのカーテンを背景にして窓際の席に彼女、その隣に私。
カーテンの向こうには夏の日差しがギラついていました。

かなり仲良くなっていた私たちは授業中でもこそこそしゃべっていました。

授業がちょうど中世ヨーロッパの美術の広がりについての話しに差し掛かろうとしたとき…

「ね〜、ね〜、いたのって好きな人いるの?」
「んあ〜、そりゃいるよ。」
「え?だれ?だれ?」「あ、言わないで!当ててあげる!」
「ん〜、、と、わかった!! み〜な(クラスのマドンナ的な綺麗な子)でしょ!!」

「ち、ちがうよ」
「え〜、じゃ、だれよ?」
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 :
 :
「…お前だよ…」
「えっ!……」

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そう言った途端、ブワ〜ッと窓から強い風が入ってきてクラス中のカーテンが大きくめくれ上がりました。
カーテンを失った窓から差し込む夏の日差し、逆光の中で驚いた表情で私の方を見ていた彼女がゆっくりとシルエットになっていったのをおぼえています。

どれぐらい経ったのでしょう、実際にはほんの一瞬のはずですがその時の私には時間が止まっていたように感じていました。

しまった、言ってしまった。
なんて答えが返ってくるんだろう…
 :
 :
 :

「お〜い!みんな風強いから一回窓閉めよう!!」

歴史の先生の一言で時が動き出しました。

「おいおい、空気読めよ〜、授業なんてどうでもいいよ〜、ここからが俺のルネッサンスの始まりだよ〜」

と思ったんですが、もう後の祭り、バタバタと窓際の生徒は窓を閉めるために動き出します。
もちろん彼女も…

結局、私の告白はうやむやになってしまい、次の休み時間もその後もお互いその話題には触れないようにして卒業を迎えてしましました。

そして伝説へ…

そして話しは高校時代にうつります。
彼女と私は別々の高校へ進学し、接点の無いまま1年ほど経ったある日。
街でばったり彼女と再会しました。
繁華街のおもちゃ屋の前での出来事でした。
聞けば、今そのおもちゃ屋でバイトしてるとのこと。

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思い出話に花が咲き、気がつけば立ち話で1時間以上話していました。
今度、どこか遊びに行こうよと約束をしその日は別れ。

その日から彼女に対する気持ちが再びわき上がってしまったのです!

しばらく後、彼女のバイト終わりに会う約束をし、バイト先の近くのマクドナルドに2人で入りました。

いろいろ思い出話や、お互いの近況を報告した後、意を決して確信に触れます…

「あのさ、中学の時、授業中に好きな人の話になったのおぼえてる?」
「おぼえてるよ…」
「俺、なんて答えたかおぼえてる?」
「うん、おぼえてる…でも、あれ冗談でしょ…?」
「いや、本気だったよ。今でも変わらない…つ、付き合いたいと思ってる。俺のことどう思ってた?」
「…あのとき…嬉しかった。同じ気持ちだったから…」
「え、じゃ、じゃあ!」
「でも…ゴメン。今、付き合ってる人がいる…」
 :
 :

私はバツの悪さと、最後ガッついてしまった恥ずかしさで必死に話題を変えようとしました。

「あ、そ、そうなの。もっと早く言えば良かったな〜w」
「…そ、そうだね…」
「あ、そういえば、あのおもちゃ屋でバイトしてるんでしょ?」
「うん…」
「来週、新しいドラクエ出るんだよね〜。欲しいんだけどどこも予約いっぱいでさ〜まいったよ〜」
「そうだよね…ウチも予約いっぱい入ってる…… 予約…入れてあげようか?」
「え?ま、マジで!」
「うん、多分出来ると思う。ノートに名前書くだけだから…」
「うお!マジか!!欲しい!欲しい!!予約入れてよ!!!」

こうして私は見事に入手困難だった「ドラゴンクエストⅢ〜そして伝説へ」を手にいれることに成功したのでした。

1週間後に予約したドラクエを受け取りに行くときに、ちょとだけ恥ずかしさとプライドがジャマしましたが、そんなものは私のドラクエ遊びたい欲の前にはなんの抵抗力にもならなかったとさ。

めでたし、めでたし。

後日談

そして何年か後、私に上記の様な恥ずかしい思いをさせた元凶の会社に入ることになります。

iPhone版ドラゴンクエストⅣが出たので、私が導かれし者になったときのことを思いだしてみた。 | Ninebonz - その和尚IT系

会社の飲み会で社長や先輩にこの話をして、「なんて思いをさせてくれたんだ!」と絡んであの頃の自分の供養にしました。w

ドラクエⅡにもまた別の想い出があるのですが、それはまたいつか書きたいと思います。

いや〜、ゲームってホント〜にイイもんですね!!